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食道アカラシアの研究へのご協力について

食道アカラシア(以下、アカラシア)は、下部食道括約部の弛緩不全および食道の蠕動運動の障害により、食道から胃への通過障害をきたす原因不明の稀少疾患です。水分や食事のつかえ感、食道内容の嘔吐やそれに伴う睡眠障害、胸痛、体重減少などの症状をきたすため、患者さんの生活の質は著しく低下します。しかしながら、最近では経口内視鏡的筋層切開術(Peroral endoscopic myotomy:POEM)によって、疾患の発見さえ出来れば、患者さんの生活の質を、低侵襲な方法で、劇的に改善出来るようになりました。そのため、今後は疾患の的確な拾い上げが、以前にも増して重要となり、診断においては、内視鏡検査が重要な役割を担っています。しかし腫瘍などとは異なり、異常を指摘する対象が『消化管の動き』であるため、その発見は必ずしも容易ではありません。またアカラシアが稀な疾患であることも発見を難しくしています。

 

福岡大学では、昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学と共同で、アカラシアに対するAIを用いたコンピュータ支援診断(computeraided diagnosis:CAD)のシステムを構築し、日頃、アカラシアの診療に従事していない医師でも、的確な拾い上げ診断が出来るよう研究を行っています。福岡大学の関連施設であるクリスタルビルクリニックも、この研究活動に協力をしております。このような研究は、臨床研究と呼ばれ、ご協力を頂く患者さんの不利益にならないよう、福岡大学の倫理委員会で十分な審査と承認を得た上で行われております。研究内容の詳細につきましては、福岡大学の倫理委員会のHPに掲載されていますので、下記のURLよりご覧ください。
今回の研究の対象となっている方は、2011年9月~2022年8月の間に、福岡大学および当クリニックで上部内視鏡検査を受けた方です。研究に用いる内視鏡画像は、一切の個人情報を含まない状態(日本消化器内視鏡学会の倫理指針に従い、名前やIDの削除,顔や個人の特徴が映らない状態)で使用されます。対象となった患者さんには、原則、検査後に個別にご相談を行ったり、電話などで連絡をとるようにしておりますが、受診がない方や、連絡がつかない方につきましては、オプトアウトという形式で通知を行っております。研究へのご協力が難しい方につきましては、データを削除いたしますので、当クリニックの方までご連絡を頂くことが出来れば幸いです。
医学の進歩(今回はアカラシアを早期発見するためのAIの構築とその評価)のためには、病気の方の情報だけでなく、当クリニックで検査を受けているような健康な方の情報も必要となります。今回の研究へのご理解、ご協力の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

研究番号:U19-09-008、U22-12-010
https://fukudaigeka.jimdo.com/研究/現在進行中の研究/
https://fukuoka.bvits.com/rinri/publish.aspx

 

クリスタルビルクリニック
院長 塩飽 徳行